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■□ 食物アレルギー □■
 

食物アレルギーとは、原因食物を摂取した後に 免疫学的機序を介して,生体にとって不利益な症状(皮膚粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状、アナフィラキシーなど)が起こる現象を言います。

 1945年以降、社会は急速に近代化し始める一方で、公害と同時に 日常生活環境内における アレルゲン物質の増加が、アレルギー患者さんを増やしました。

 また、近年 食物の欧米化が食材の多様化を生み、食物アレルギーの即時型反応を呈する患者さんが増えています。

 低年齢児の食物アレルギーによる即時型反応(食物アレルギー児が、原因となる食物を摂取した際すぐに蕁麻疹や呼吸困難などが発症すること)は、その対応や予防策が非常に重要になってきています。

 最近の厚生省の報告によれば、原因アレルゲンは卵、牛乳、小麦、そば、えび、ピーナッツ、大豆、チ−ズの順に増えていることが報告されています

このことは、食生活の欧米化 すなわち、卵、牛乳、小麦やチーズ、ピーナッツなどを使った食材に 代わっていることが要因であることが証明されました。

 食物アレルギー児の推移に関して、我々は平成12年 ある都市の小学生39校9177名と、平成14年に全国の小児科を専門としている医療機関(16箇所)の 通院患者さん2652人を対象に、調査を行いました。

 その結果、1970年に比べて現在では、食物アレルギーの罹患率が 約1%から7%と増加している反面、米(こめ)食の摂取率が半分以下に低下していました。

また、その患者さんのうち 約36,3%(平成12年と平成14年の平均値)が、何らかのアレルギーを持っていました。

 その内訳は 気管支喘息が1位、食物アレルギーに関しては、平成12年ー5位であったものが、平成14年ー3位へと上昇しています。

病 態

 原因となる食物アレルゲンが 口腔粘膜から腸管粘膜まで炎症をもたらし、腸管粘膜のバリアーが波状し多量の異種たんぱく質(高分子たんぱく質)の透過性が亢進し、アレルゲン性をもったまま生体に取り込まれます。

 その結果、一次食物アレルギー、二次食物アレルギーと 順次いろいろな食物によって 局所のアレルギー反応をおこし、さらに肝臓に影響し、そこで作られた多くの炎症物質が全身へ入り、多彩な症状をもたらします(ぜいぜい、蕁麻疹、ショック、下痢など)

 また、食物の一部(果物、野菜)は、花粉やゴムに交差抗原性を呈し、卵や牛乳にアレルギーのある患者さんは、ある薬剤に過敏に反応することが知られています。

 厚生省の報告では、成人の約10%弱が食物アレルギーを呈していることから、食材そのものの多様化や アレルゲン性の変化によって、食物アレルギーは非常に多岐多様な複雑な病態を呈している と考えられます。

 そのため、現時点においては、食物アレルギーのガイドラインは作られておらず(「気管支喘息」は国際ガイドラインや 小児アレルギー学会におけるガイドラインなどがある)、一般診療医に診断法や治療法の混乱があるのが現状です。

診 断

1食物日誌をつけることで 食物と症状の因果関係を知ることが必要です

(当院は食物日誌を使用しております)

2血液中食物アレルゲンの同定(採血による検査)

3皮膚テスト

4、病歴、検査を参考に 原因となる食物アレルゲン一定期間の除去、負荷試験(※医師の指導のもとで)

治 療

● 環境整備

● 食物日誌をもちいることで食生活のみならず日常生活を記載することです。

摂取後2日間は十分な全身管理をし、症状と原因食物との関係を検索することです。

● 種々の作用機序の異なった坑アレルギー剤を用いることで、アレルギー性炎症物質の抑制をすることです。

● 小児は成長過渡期にあるため、適切な食事療法と発育状態の全身管理をすることが必要です。当クリニックでは具体的に適切な食物献立表を用いて食事指導しています。

● 急性アナフィラキシー時用の薬剤(内服)の携帯

 近年、日本の一部の専門施設の中で、重症食物アレルギー児には急性アナフィラキシー時用の薬剤(内服)の携帯を勧めています。

当クリニックでも急性アナフィラキシー時用の薬剤(内服)の携帯することを指導しています

その理由として、近年米国では、食物アレルギーによって命の危険性にさらされる患者さんは、年に約100人と推定されています。

また、本邦においても 食物アレルギー患者さんの11%がショック症状を呈したことがあるといわれています。

 このことから、米国アレルギー学会がいち早く エピネフリンの自己注射(ショック時に使用する注射薬)を認可しましたが、本邦においては いまだ導入されていません。(成人の蜂アレルギーのみ認可されています)

 この理由には、

・エピネフリン自体が必ずしも副作用を伴わない薬剤ではないこと

・注射のタイミングの判断や手技を適切に行えるかどうかが難しいこと

・屋外(学校やレストランなど)におけるショックにたいしての対策がなされていないこと

・食物アレルギー専門医が少ないこと

などが考えられます。

 私は、これらの問題解決を早急にするために、ガイドライン作成も含めて、行政の適切な対応と、エピネフリンの自己注射の導入が 望まれると考えます。

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さかもと小児クリニック    港北区綱島西2−7−2−5F

 (1階 かもめ薬局さん)